岐阜県・公立高校入試 2023年度( 令和5年度 )解答・解説編

岐阜県立高校・入学試験学力検査・数学・2023年度

次の(1)~(6)の問いに答えなさい。

(1)$2\times(\,-3\,)+3\;\;$を計算しなさい。

解答・解説

解答$-3$

$\color{red}2\times(\,-3\,)\color{black}+3$
$=-6+3$
$=-3$

(2)$2ab\div\dfrac{b}{\;2\;}\;\;$を計算しなさい。

解答・解説

解答$4a$

$2ab\div\dfrac{b}{\;2\;}$
$=2ab\color{red}\times \dfrac{2}{\;b\;}$
$=2a\color{red}\cancelto{1}{\color{black}b}\color{black}\times \dfrac{2}{\;\color{red}\cancelto{1}{\color{black}b}\;}$
$=2a\times 2$
$=4a$

(3)$(\,\sqrt{\,5\,}-\sqrt{\,3\,}\,\,)^{2}\;\;$を計算しなさい。

解答・解説

解答$8-2\sqrt{\,15\,}$

$(\,\sqrt{\,5\,}-\sqrt{\,3\,}\,)^{2}$
$=(\sqrt{\,5\,}\,)^{2}-2\sqrt{\,3\,}\sqrt{\,5\,}+(\sqrt{\,3\,}\,)^{2}$
$=5-2\sqrt{\,15\,}+3$
$=8-2\sqrt{\,15\,}$

(4)$2$ 個のさいころを同時に投げるとき,出る目の和が $6$ の倍数にならない確率を求めなさい。

解答・解説

解答$\dfrac{5}{\;6\;}$

$2$ 個のさいころを A、B とすると、目の出方は $6\times6=36$ (通り) です。
A の目と B の目の和を,すべて下の図に表します。

出る目の和が $6$ の倍数になる場合は,上図の塗りつぶしの $6$ 通りです。
よって,出る目の和が $6$ の倍数になる確率は,

$\dfrac{6}{\;36\;}=\dfrac{1}{\;6\;}$

したがって,出る目の和が $6$ の倍数にならない確率は,

$1-\dfrac{1}{\;6\;}=\dfrac{5}{\;6\;}$


ことがらAの起こらない確率

『 $A$ の起こらない確率 』$\; = \;1 \;-$ 『 $ A$ の起こる確率 』

上の解説では,

「$6$ の倍数になる確率」$ = 1-$「$6$ の倍数にならない確率」

という考え方で解いていますが,出る目の和が $6$ の倍数にならない場合の数を直接数えても良いです。

(5)関数$\;y=-2x^{2}\;$について述べた文として正しいものを, からすべて選び,符号で書きなさい。

$x$ の値が $1$ ずつ増加すると,$y$ の値は $2$ ずつ減少する。

$x$ の変域が $-2≦x≦4$ のときと $-1≦x≦4$ のときの,$y$ の変域は同じである。

グラフは $x$ 軸について対称である。

グラフは下に開いている。

解答・解説

解答イ,エ

について,一つずつ検討していきます。

$x$ の値が $1$ ずつ増加すると,$y$ の値は $2$ ずつ減少する。

$\;y=-2x^{2}\;$ について,$x$ の値と $y$ の値の変化の様子を下の《 表 1 》に表します。

表から分かるように,$x$ の値が $1$ ずつ増加するときの $y$ の増加量は一定ではありません。
よって,正しくない

$x$ の変域が $-2≦x≦4$ のときと $-1≦x≦4$ のときの,$y$ の変域は同じである。

$\;y=-2x^{2}\;$ について,$x$ と $y$ の変化の様子を下の《 グラフ 1 》と《 グラフ 2 》に表します。

《 表 1 》および《 グラフ 1 》から,$-2 ≦ x≦4$ のとき,$y$ の変域は $-32≦y≦0$ です。

《 表 1 》および《 グラフ 2 》から,$-1≦x≦4$ のとき,$y$ の変域は $-32≦y≦0$ です。

よって,$-2≦x≦4$ のときと $-1≦x≦4$ のときの $y$ の変域は同じです。正しい

グラフは $x$ 軸について対称である。

グラフは下に開いている。

$\;y=-2x^{2}\;$ について,$x$ と $y$ の変化の様子を下のグラフに表します。

上のグラフから,グラフは $y$ 軸について対称です。よって,正しくない

上のグラフから,グラフは下に開いています。よって,正しい

(6)線分 AB の垂直二等分線を,定規とコンパスを使って作図しなさい。なお,作図に用いた線は消さずに残しなさい。

解答・解説

解答

作図の手順

① コンパスを AB の半分より大きく開き,点 A を中心とする弧をかきます。

② ①と同様にして,点 B を中心とする弧をかき,交点P,Q をつくります。

③ 直線 PQ をかきます。


右の図のように,水平に置かれた直方体状の容器 $\rm A$,$\rm B$ がある。$\rm A$ の底面は,周の長さが $20 \, \rm cm$ の正方形で,$\rm B$ の底面は,周の長さが $20 \, \rm cm$ の長方形である。また,$\rm A$ と $\rm B$ の高さは,ともに $40 \, \rm cm$ である。

次の (1) ~ (3) の問いに答えなさい。

(1)$\rm A$ の底面の面積を求めなさい。

問題2の図形

解答・解説

解答$25\,\rm cm^2$

$\rm A$ の底面は,周の長さが $20 \, \rm cm$ の正方形だから,その $1$ 辺の長さは,

$20 \div 4 = 5$$\,(\,\rm cm\,)$

よって,面積は,

$5 \times 5 = 25$$\,(\,\rm cm^2\,)$

(2)$\rm B$ の底面の長方形の $1$ 辺の長さを $x \, \rm cm$ としたとき,$\rm B$ の底面の面積を $x$ を使った式で表しなさい。

解答・解説

解答$x(\,10-x\,)\,\rm cm^2$

$\rm B$ の底面は,周の長さが $20 \, \rm cm$ の長方形だから,

たての長さ $+$ 横の長さ $=20 \div 2$

$ = 10$$\,(\, \rm cm\,)$

よって,

横の長さ $=10-\;$たての長さ

たての長さを $x \, \rm cm$ とすると

横の長さ $=10-x\;$

と表せます。

したがって,$\rm B$ の底面の面積は,

たての長さ $\times$ 横の長さ $= x \times (\,10-x\,)$

$ = x(\,10-x\,)$$\,(\, \rm cm^2\,)$

(3)$\rm B$ に水をいっぱいになるまで入れ,その水を全て空の $\rm A$ に移したところ,水面の高さが $30 \, \rm cm$ になった。$\rm B$ の底面の長方形において,短いほうの辺の長さを求めなさい。

解答・解説

解答$2.5\,\rm cm$

問題は,「$\rm B$ いっぱいに入る水の体積」「$\rm A$ の水面の高さが $30 \, \rm cm$ までに入る水の体積」が同じとき,$\rm B$ の底面(長方形)の短いほうの辺の長さを求めよ,ということです。

$\rm B$ の底面積は (2) から,$x(\,10-x\,)$$\,(\, \rm cm^2\,)$ だから,
「$\rm B$ いっぱいに入る水の体積」は,

$x(\,10-x\,) \times 40=40x(\,10-x\,)$$\,(\,\rm cm^3\,)$ ・・・①

$\rm A$ の底面積は (1) から,$25$$\,(\,\rm cm^2\,)$ だから,
「$\rm A$ の水面の高さが $30 \, \rm cm$ までに入る水の体積」は,

$25 \times 30 =750$$\,(\,\rm cm^3\,)$ ・・・②

① = ② だから,

$\begin{eqnarray}40x(\,10-x\,)&=&750\\[5pt]4x^2-40x+75&=&0\\[5pt](\,2x\,)^2+(\,-5-15\,)\times 2x+(\,-5\,)\times (\,-15\,)&=&0\\[5pt](\,2x-5\,)(\,2x-15\,)&=&0\\[5pt]x=\dfrac{\;5\;}{\;2\;},\;x&=&\dfrac{\;15\;}{\;2\;}\end{eqnarray}$

$0<x<10$ だから,どちらも辺の長さとしては適していますが,求めるのは短い方の辺の長さ(下の補足説明)なので,

$x=\dfrac{\;5\;}{\;2\;}=2.5$$\,(\,\rm cm\,)$


補足説明

(2)から,$\rm B$ の底面は,周の長さが $20 \, \rm cm$ の長方形だから,

たての長さ $+$ 横の長さ $=10$$(\,\rm cm\,)$

よって,短い方の長さは,たての長さと横の長さの和の半分 $(5 \rm cm)$ より小さい値になります。

また,$2$ 次方程式 $4x^2-40x+75=0$ は,解の公式で解いても良いです。

$\begin{eqnarray}4x^2-40x+75&=&0\\[5pt]x&=&\dfrac{\;-(-40) \pm \sqrt{(-40)^2-4 \times 4 \times 75}\;}{\;2 \times 4\;}\\[5pt]&=&\dfrac{\;40 \pm \sqrt{1600-1200}\;}{\;8\;}\\[5pt]&=&\dfrac{\;10 \pm 5\;}{\;2\;}\\[5pt]&=&\dfrac{\;15\;}{\;2\;},\;\dfrac{\;5\;}{\;2\;}\end{eqnarray}$


下の図は,ある中学校の $3$ 年 $\rm A$ 組の生徒 $35$ 人と $3$ 年 $\rm B$ 組の生徒 $35$ 人が $1$ 学期に読んだ本の冊数について,クラスごとのデータの分布の様子を箱ひげ図に表したものである。

次の (1) ~ (3) の問いに答えなさい。

(1)$3$ 年 $\rm A$ 組の第 $1$ 四分位数を求めなさい。

解答・解説

解答$5$ 冊

箱ひげ図

下は箱ひげ図から読み取ることのできる値についてまとめた表です。

表から,$3$ 年 $\rm A$ 組の第 $1$ 四分位数は $5$ 冊です。

(2)$3$ 年 $\rm A$ 組の 四分位範囲を求めなさい。

解答・解説

解答$4$ 冊

箱ひげ図

下は箱ひげ図から読み取ることのできる値についてまとめた表です。

四分位範囲は,第 $1$ 四分位数と第 $3$ 四分位数の差です。

四分位範囲 $=$ 第 $3$ 四分位数 $-$ 第 $1$ 四分位数

表から、$3$ 年 $\rm A$ 組の第 $1$ 四分位数は $5$ 冊,第 $3$ 四分位数は $9$ 冊だから,

$3$ 年 $\rm A$ 組の四分位範囲 $=9-5=4$ (冊)

(3)図から読み取れることとして正しいものを,からすべて選び,符号で書きなさい。

$3$ 年 $\rm A$ 組と $3$ 年 $\rm B$ 組は,生徒が $1$ 学期に読んだ本の冊数のデータの範囲が同じである。

$3$ 年 $\rm A$ 組は,$3$ 年 $\rm B$ 組より,生徒が $1$ 学期に読んだ本の冊数のデータの中央値が小さい。

$3$ 年 $\rm A$ 組は,$3$ 年 $\rm B$ 組より,$1$ 学期に読んだ本が $9$ 冊以下である生徒が多い。

$3$ 年 $\rm A$ 組と $3$ 年 $\rm B$ 組の両方に,$1$ 学期に読んだ本が $10$ 冊である生徒が必ずいる。

解答・解説

解答イ,ウ

それぞれの組の生徒に,冊数の少ない順に $1$ 番から $35$ 番まで番号をつけると,下の表のようになります。

について,一つずつ検討していきます。

$3$ 年 $\rm A$ 組と $3$ 年 $\rm B$ 組は,生徒が $1$ 学期に読んだ本の冊数のデータの範囲が同じである。

範囲は,最小値と最大値の差です。

範囲 $=$ 最大値 $-$ 最小値

表から

$\rm A$ 組の範囲 $=12-1=11$ (冊)

$\rm B$ 組の範囲 $=11-2=9$ (冊)

よって $2$ つの組のデータの範囲は異なるから,正しくない

$3$ 年 $\rm A$ 組は,$3$ 年 $\rm B$ 組より,生徒が $1$ 学期に読んだ本の冊数のデータの中央値が小さい。

表から

$\rm A$ 組の中央値は $5$ 冊

$\rm B$ 組の中央値は $8$ 冊

よって,$\rm A$ 組は $\rm B$ 組より中央値が小さいから,正しい

$3$ 年 $\rm A$ 組は,$3$ 年 $\rm B$ 組より,$1$ 学期に読んだ本が $9$ 冊以下である生徒が多い。

表から

$\rm A$ 組の第 $3$ 四分位数は $9$ 冊で,これは $27$ 番の生徒は $9$ 冊だということです。

よって$\rm A$ 組には,$9$ 冊以下の生徒が少なくとも $27$人います。

また,$\rm B$ 組の第 $3$ 四分位数は $10$ 冊で,これは $27$ 番の生徒は $10$ 冊だということです。

よって$\rm B$ 組の $9$ 冊以下の生徒は,$26$人以下ということになります。

したがって,$\rm A$ 組は,$\rm B$ 組より,$9$ 冊以下である生徒が多く,正しい

$3$ 年 $\rm A$ 組と $3$ 年 $\rm B$ 組の両方に,$1$ 学期に読んだ本が $10$ 冊である生徒が必ずいる。

表から,

$\rm B$ 組の第 $3$ 四分位数が $10$ 冊だから,$27$ 番の生徒が $10$ 冊です。

しかし,$\rm A$ 組に $10$ 冊の生徒がいるのかは,箱ひげ図からは分かりません。

よって,正しくない


ある遊園地に,図 $1$ のような,$\rm A$ 駅から $\rm B$ 駅までの道のりが $4800\;\rm m$ のモノレールの路線がある。モノレールは,下の表の時刻にしたがって $\rm A$ 駅と $\rm B$ 駅の間を往復し,走行中の速さは一定である。
モノレールが $13$ 時に $\rm A$ 駅を出発してから $x$ 分後の,$\rm B$ 駅からモノレールのいる地点までの道のりを $y\;\rm m$ とする。$13$ 時から $13$ 時 $56$ 分までの $x$ と$y$ の関係をグラフに表すと,図 $2$ のようになる。

大問4の画像

次の (1) ~ (3) の問いに答えなさい。ただし,モノレールや駅の大きさは考えないものとする。

(1)モノレールが $\rm A$ 駅と $\rm B$ 駅の間を走行するときの速さは,分速何 $\rm m$ であるかを求めなさい。

解答・解説

解答分速 $600$ $\rm m$

表や図 $2$ から,モノレールは $8$ 分間で $4800$ $\rm m$ 走行することがわかります。

よって,その速さは,

$4800 \div 8=600$ $(\,\rm m \, /$分$\,)$

速さ $=$ 道のり $\div$ 時間

(2)$x$ の変域を次の (ア),(イ) とするとき,$y$ を $x$ の式で表しなさい。

(ア)$0≦x≦8$ のとき

(イ)$16≦x≦24$ のとき

(2)の(ア),(イ) 解答・解説

解答(ア) $y=-600x+4800\quad$(イ) $y=600x-9600$

(ア)$0≦x≦4$ のとき

グラフは下の図の赤い部分になり,$y$ は $x$ の $1$ 次関数であるといえます。

ダイヤグラム画像1

上の図から,$x$ と $y$ の変化の様子は次の表のようになります。

$\begin{array}{c|ccc}\;\;x &\; 0 & \cdots & 8\;\, \\ \hline \;\;y & \;4800 & \cdots & 0\; \ \end{array}$

$x$ と $y$ の関係を表す式を $y=ax+b$ と表すと,

$a=\dfrac{\;0-4800\;}{\;8-0}=\dfrac{\;-4800\;}{8}=-600$

よって,求める式は $y=-600x+b$ となり,
さらに,この式に $x=8$,$y=0$ を代入して,

$0=-600 \times 8 +b$
$b=4800$

したがって,求める式は,

$y=-600x+4800$ $\;(\,0≦x≦8\,) $

※ 図から,グラフの切片が $4800$ であることは明らかです。


(イ)$4≦x≦8$ のとき

グラフは下の図の赤い部分になり,$y$ は $x$ の $1$ 次関数であるといえます。

ダイヤグラム画像2

上の図から,$x$ と $y$ の変化の様子は次の表のようになります。

$\begin{array}{c|ccc}\;\;x &\; 16 & \cdots & 24\;\, \\ \hline \;\;y & \;0 & \cdots & 4800\; \ \end{array}$

$x$ と $y$ の関係を表す式を $y=ax+b$ と表すと,

$a=\dfrac{\;4800-0\;}{\;24-16}=\dfrac{\;4800\;}{8}=600$

よって,求める式は $y=600x+b$ となり,
さらに,この式に $x=16$,$y=0$ を代入して,

$0=600 \times 16 +b$
$b=-9600$

したがって,求める式は,

$y=600x-9600$ $\;(\,16≦x≦24\,) $

(3)花子さんは $13$ 時に $\rm B$ 駅を出発し,モノレールの線路沿いにある歩道を $\rm A$ 駅に向かって一定の速さで歩いた。花子さんは $\rm B$ 駅を出発してから $56$ 分後にモノレールと同時に $\rm A$ 駅に到着した。

(ア)花子さんが初めてモノレールとすれ違ったのは,モノレールが $13$ 時に $\rm A$ 駅を出発してから,何分後であったかを求めなさい。

(3)の(ア) 解答・解説

解答$7$ 分後

花子さんが $13$ 時に $\rm B$ 駅を出発してから $x$ 分後の,$\rm B$ 駅から花子さんのいる地点までの道のりを $y\;\rm m$ として,$x$ と $y$ の関係のグラフ(赤)を図 $2$ に加えました。

ダイヤグラム画像3

まず,花子さんのグラフについて,$y$ を $x$ の式で表します。

グラフから,$y$ は $x$ の $1$ 次関数であり,$x$ と $y$ の変化の様子は次の表のようになります。

$\begin{array}{c|ccc}\;\;x &\; 0 & \cdots & 56\;\, \\ \hline \;\;y & \;0 & \cdots & 4800\; \ \end{array}$

$x=0$ のとき $y=0$ だから, $x$ と $y$ の関係を表す式は $y=ax$ と表せます。

この式に $x=56$,$y=4800$ を代入して,

$4800=a \times 56$

$a=\dfrac{\;600\;}{7}$

求める式は,

$y=\dfrac{\;600\;}{7}x$ $\;(\,0≦x≦56\,) $

グラフから,花子さんが初めてすれ違うモノレールは,$13$ 時に $\rm A$ 駅を出発したものです。

そのモノレールについて,$x$ と $y$ の関係を表す式は,(2)の(ア)から,

$y=-600x+4800$ $\;(\,0≦x≦8\,) $

よって,花子さんが初めてモノレールとすれ違った時刻は,次の連立方程式から求めることができます。

$\begin{eqnarray}\;\;\left\{\begin{array}{l}\;y=\dfrac{\;600\;}{7}x&\cdots①& \\[5pt]\;y=-600x+4800 &\cdots②& \end{array}\right.\end{eqnarray}\;\;$

①の右辺 $=$ ②の右辺だから,

$\begin{eqnarray}\dfrac{\;600\;}{7}x&=&-600x+4800\\[5pt]x&=&7\end{eqnarray}$

$x=7$ を ① に代入して,

$\begin{eqnarray}y&=&\dfrac{\;600\;}{7} \times 7 \\[5pt]&=&600\end{eqnarray}$

したがって,花子さんが花子さんが初めてモノレールとすれ違った時刻は,$13$ 時 $7$ 分,つまり,モノレールが $13$ 時に $\rm A$ 駅を出発してから,$7$ 分後です。

また,花子さんが初めてモノレールとすれ違った場所は,$B$ 駅から $600\;\rm m$ 離れています。

(イ)花子さんは,初めてモノレールとすれ違った後,A 駅に向かう途中で,B 駅から戻ってくるモノレールに追い越された。花子さんが初めてモノレールとすれ違ってから途中で追い越されるまでに,歩いた道のりは何 $\rm m$ であったかを求めなさい。

(3)の(イ) 解答・解説

解答$1000$ $\rm m$

(3)の(ア) から,

花子さんのグラフの式は$\;\; y=\dfrac{\;600\;}{7}x$ $\;(\,0≦x≦56\,)\;\;$です。

ダイヤグラム画像4

グラフから,花子さんが追い越されたモノレールは,$13$ 時 $16$ 分に $\rm B$ 駅を出発したものです。

そのモノレールについて,$x$ と $y$ の関係を表す式は,(2)の(イ)から,

$y=600x-9600$ $\;(\,16≦x≦24\,) $

よって,花子さんがモノレールに追い越された場所は,次の連立方程式から求めることができます。

$\begin{eqnarray}\;\;\left\{\begin{array}{l}\;y=\dfrac{\;600\;}{7}x&\cdots①& \\[5pt]\;y=600x-9600 &\cdots②& \end{array}\right.\end{eqnarray}\;\;$

①の右辺 $=$ ②の右辺だから,

$\begin{eqnarray}\dfrac{\;600\;}{7}x&=&600x-9600\\[5pt]x&=&\dfrac{\;56\;}{3}\end{eqnarray}$

$x=\dfrac{\;56\;}{3}$ を ① に代入して,

$\begin{eqnarray}y&=&\dfrac{\;600\;}{7} \times \dfrac{\;56\;}{3} \\[5pt]&=&1600\end{eqnarray}$

したがって,花子さんがモノレールに追い越された場所は,$\rm B$ 駅から $1600\;\rm m$ 離れています。

(3)の(ア) から,花子さんが初めてモノレールとすれ違った場所は,$\rm B$ 駅から $600\;\rm m$ 離れているので,花子さんが初めてモノレールとすれ違ってから途中で追い越されるまでに歩いた道のりは,

$1600-600=1000\;\rm ( m )$


下の図で, △ ABC の $3$ つの頂点 A,B,C は円 O の周上にあり,点 D は ∠ BAC の二等分線と円 O との交点である。また,線分 AD と辺 BC の交点を E とし,B を通り線分 DC に平行な直線と AD,辺 AC との交点をそれぞれ F,G とする。

大問5の画像

次の (1),(2) の問いに答えなさい。

(1)△ AEC ∽ △ BGC であることを証明しなさい。

解答

〈仮定〉∠ BAD $=$ ∠CAD,BG $/\!/$ DC
〈結論〉△ AEC ∽ △ BGC

〈証明〉

△ AEC と △ BGC で,

共通な角だから,

∠ ACE = ∠ BCG $\quad$・・・①

仮定から,

∠ CAE = ∠ BAE $\quad$・・・②

弧 BD に対する円周角だから,

∠ BAE = ∠ BCD $\quad$・・・③

DC $/\!/$ BG より,平行線の錯覚だから,

∠ BCD = ∠ CBG $\quad$・・・④

②,③,④ から,

∠ CAE = ∠ CBG $\quad$・・・⑤

①,⑤ から,$2$ 組の角がそれぞれ等しいので,

△ AEC ∽ △ BGC

(2)AB $=4\;\rm cm$,BC $=5\;\rm cm$,CA $=6\;\rm cm$ のとき,

(ア)CE の長さを求めなさい。

解答・解説

解答$3\;\rm cm$

「三角形の角の二等分線と比」の定理(下の右図)を使います。

上の左図から,

AB:AC $=$ BE:CE だから,

$\;4\;$:$\;6\;$ $=$ BE:CE

BE:CE $=$ $2$:$3$

よって,

CE $=$ BC $\times \dfrac{3}{\;2+3\;}$

$\,\;=5 \times \dfrac{\;3\;}{5}$

$\,\;=3$$\;(\,\rm cm\,)$

(イ)△ BEF の面積は,△ AFG の面積の何倍であるかを求めなさい。

解答・解説

解答$\dfrac{\;16\;}{\;49\;}$ 倍

(2)の(ア) から,CE $=3\;(\,\rm cm\,)$ だから,

BE $=$ BC $-$ CE

$\,\;=5-3$

$\,\;=2\;(\,\rm cm\,)$ ・・・・・・ ①

(1) から,△AEC ∽ △BCG だから,

AC:BC $=$ CE:CG

$\;6\;$:$\;5\;$ $=$ $\;3\;$:CG

$6\,\times\,$CG $=$ $5 \times 3$

$\,$CG $=\dfrac{\;5\;}{\;2\;}\;(\,\rm cm\,)$

よって,

AG $=$ AC $-$ CG

$\;\,=$ $\;6\;- \dfrac{\;5\;}{2}$

$\;\,=\dfrac{\;7\;}{\;2\;}\;(\,\rm cm\,)$ ・・・・・・ ②

また,△BEF ∽ △AGF であり(証明は下の参考),

①,② からその相似比は,

BE:AG $=$ $2$:$\dfrac{\;7\;}{2}$

$\quad\;\; =$ $4$:$7$

よって,△BEF と △AGF の面積比は,

$4^{2}$:$7^{2}=16$:$49$

したがって,

△BEF $:$ △AGF $=16$:$49$

$\;\;49\times$△BEF $=$ $16\times$△AGF

$\;\;\,$△BEF $=\dfrac{16}{\;49\;}\times$△AGF


〔参考〕△ BEF ∽ △ AGF の証明

〈証明〉

△BEF と △ AGF で,

(1) から △ AEC ∽ △ BCG だから,

∠ CBG = ∠ CAE

すなわち,

∠ EBF = ∠ GAF $\quad$・・・①

対頂角だから,

∠ BFE = ∠ AFG $\quad$・・・②

①,② から,$2$ 組の角がそれぞれ等しいので,

△ BEF ∽ △ AGF


$10$ 以上の自然数について,次の作業を何回か行い,$1$ けたの自然数になったときに作業を終了する。

【作業】自然数の各位の数の和を求める。

$\;\;\;$例えば,$99$ の場合は,〈 例 〉のように自然数が変化し,$2$ 回目の作業で終了する。

〈 例 〉$\;\;$$99\quad\longrightarrow\quad18\quad \longrightarrow\quad9$

次の (1) ~ (5) の問いに答えなさい。

(1)$1999$ の場合は,作業を終了するまでに自然数がどのように変化するか。〈 例 〉にならって書きなさい。

解答・解説

解答$1999\;\;\rightarrow\;\;28\;\;\rightarrow\;\;10\;\;\rightarrow\;\;1\;$

$1999$ について作業を行います。

$1$ 回目の作業$\quad1+9+9+9=28$

$2$ 回目の作業$\quad2+8=10$

$3$ 回目の作業$\quad1+0=1$

よって,

$1999\quad\rightarrow\quad28\quad\rightarrow\quad10\quad\rightarrow\quad1$

(2)$10$ 以上 $30$ 以下の自然数のうち,$2$ 回目の作業で終了するものを全て書きなさい。

(1) の解答・解説

解答$19,\,28,\,29$

$10$ 以上 $30$ 以下の自然数には,$1$ 回目の作業で終了するものと,$2$ 回目の作業で終了するものがあります。

$1$ 回目の作業で終了 $\cdots$ 一の位の数と十の位の数の和が $1$ 桁

$2$ 回目の作業で終了 $\cdots$ 一の位の数と十の位の数の和が $2$ 桁

$10$ 以上 $30$ 以下の自然数で,一の位の数と十の位の数の和が $2$ 桁になるのは,$19,\,28,\,29$ の$3$ 個です。


〔参考〕下は$10$ 以上 $30$ 以下のすべての自然数について作業を行ったものです。

・$10\quad\rightarrow\quad 1$

・$11\quad\rightarrow\quad 2$

・$12\quad\rightarrow\quad 3$

・$13\quad\rightarrow\quad 4$

・$14\quad\rightarrow\quad 5$

・$15\quad\rightarrow\quad 6$

・$16\quad\rightarrow\quad 7$

・$17\quad\rightarrow\quad 8$

・$18\quad\rightarrow\quad 9$

・$19\quad\rightarrow\quad 10\quad\rightarrow\quad1$

・$20\quad\rightarrow\quad 2$

・$21\quad\rightarrow\quad 3$

・$22\quad\rightarrow\quad 4$

・$23\quad\rightarrow\quad 5$

・$24\quad\rightarrow\quad 6$

・$25\quad\rightarrow\quad 7$

・$26\quad\rightarrow\quad 8$

・$27\quad\rightarrow\quad 9$

・$28\quad\rightarrow\quad 10\quad\rightarrow\quad1$

・$29\quad\rightarrow\quad 11\quad\rightarrow\quad1$

・$30\quad\rightarrow\quad 3$

(3)次の文章は,$3$ けたの自然数の場合に何回目の作業で終了するかについて,太郎さんが考えたことをまとめたものである。 には $a$,$b$,$c$ を使った式を, には数を,それぞれあてはまるように書きなさい。

$\;\;\;$$3$ けたの自然数の百の位の数を $a$,十の位の数を $b$,一の位の数を $c$ とすると,$1$ 回目の作業でできる自然数は, と表すことができる。 の最小値は $1$ で,最大値は である。

① $\;\;$ が $1$ けたの自然数のとき

$1$ 回目の作業で終了する。

② $\;\;$ が $2$ けたの自然数のとき

$1$ 回目の作業では終了しない。作業を終了するためには, のときはあと $2$ 回,他のときはあと $1$ 回の作業を行う必要がある。

$\;\;\;$したがって,$3$ けたの自然数のうち,$3$ 回目の作業で終了するものでは, $=$ が成り立つ。

解答・解説

解答$\;\;a+b+c$,$\quad$$\;\;27$,$\quad$$\;\;19$

$3$ けたの自然数は,百の位の数が $a$,十の位の数が $b$,一の位の数が $c$ だから,

$1$ 回目の作業でできる自然数は,

$a+b+c\qquad$$a+b+c$

$a+b+c$ の値は,

$a=1,\;b=0,\;c=0$ のとき最小値 $1$

$a=9,\;b=9,\;c=9$ のとき最大値 $27$

になります。$\qquad$$27$

また,$a+b+c$ が $2$ けたの自然数のとき,

$1$ 回目の作業でできる自然数($a+b+c$ の値)は,$10$ から $27$ までの自然数です。

このとき,(2) の〔参考〕から,

あと $2$ 回作業があるのは,$a+b+c=19$ のときだけです。$\qquad$$19$

(4)百の位の数が $1$ である $3$ けたの自然数のうち,$3$ 回目の作業で終了するものを求めなさい。

解答・解説

解答$199$

(3) の考え方で,$a+b+c=19$ になるものを数えます。

百の位の数が $1$ であるとは,$a=1$ であり,そのとき,

$\begin{eqnarray}1+b+c&=&19\\[5pt]b+c&=&18\end{eqnarray}$

になります。

$b$ と $c$ の値の組を $(\,b,\,c\,)$ と表すと,$b+c=18$ になるのは,

$(\,b,\,c\,)=(\,9,\,9\,)$

の $1$ 組だけなので,求める自然数は $199$ です。

(5)$3$ けたの自然数のうち,$3$ 回目の作業で終了するものは,全部で何個あるかを求めなさい。

解答・解説

解答$45\;$個

(3) の考え方で,全ての $3$ けたの自然数のうち,$a+b+c=19$ になるものを数えます。

$a=1$ のとき,(4)から,

$(\,b,\,c\,)=(\,9,\,9\,)\cdots \;1$ 個

$a=2$ のとき,$b+c=17$ だから,

$(\,b,\,c\,)=(\,8,\,9\,),\,(\,9,\,8\,)\cdots \;2$ 個

$a=3$ のとき,$b+c=16$ だから,

$(\,b,\,c\,)=(\,7,\,9\,),\,(\,8,\,8\,),\,(\,9,\,7\,)\cdots \;3$ 個

$a=4$ のとき,$b+c=15$ だから,

$(\,b,\,c\,)=(\,6,\,9\,),\,(\,7,\,8\,),\,(\,8,\,7\,),\,(\,9,\,6\,)\cdots \;4$ 個

$a=5$ のとき,$b+c=14$ だから,

$(\,b,\,c\,)=(\,5,\,9\,),\,(\,6,\,8\,),\,(\,7,\,7\,),\,(\,8,\,6\,),\,(\,9,\,5\,)\cdots \;5$ 個

$a=6$ のとき,$b+c=13$ だから,

$(\,b,\,c\,)=(\,4\,9\,),\,(\,5,\,8\,),\,(\,6,\,7\,),\,(\,7,\,6\,),\,(\,8,\,5\,),\,(\,9,\,4\,)\cdots \;6$ 個

$a=7$ のとき,$b+c=12$ だから,

$(\,b,\,c\,)=(\,3,\,9\,),\,(\,4,\,8\,),\,(\,5,\,7\,),\,(\,6,\,6\,),\,(\,7,\,5\,),\,(\,8,\,4\,),\,(\,9,\,3\,)\cdots \;7$ 個

$a=8$ のとき,$b+c=11$ だから,

$(\,b,\,c\,)=(\,2,\,9\,),\,(\,3,\,8\,),\,(\,4,\,7\,),\,(\,5,\,6\,),\,(\,6,\,5\,),\,(\,7,\,4\,),\,(\,8,\,3\,),\,(\,9,\,2\,)\cdots \;8$ 個

$a=9$ のとき,$b+c=10$ だから,

$(\,b,\,c\,)=(\,1,\,9\,),\,(\,2,\,8\,),\,(\,3,\,7\,),\,(\,4,\,6\,),\,(\,5,\,5\,),\,(\,6,\,4\,),\,(\,7,\,3\,),\,(\,8,\,2\,),\,(\,9,\,1\,)\cdots \;9$ 個

よって,求める個数は,

$1+2+3+4+5+6+7+8+9=\dfrac{\;1+9\;}{2} \times 9 =45\;$(個)$\;\;$(下の解説参照)


〔連続する自然数の和について〕

$a$ から $b$ までの連続する $n$ 個の自然数について,

平均値 = 合計(和) ÷ 個数 だから,

合計(和) = 平均値 × 個数 で求められます。

また,連続するいくつかの自然数の平均値は,

最小の数$(a)$と最大の数$(b)$の平均値 $\dfrac{\;a+b\;}{2}$ になります。よって,

$a$ から $b$ までの連続する $n$ 個の自然数の和は,

$\dfrac{\;a+b\;}{2} \times n$

上の解法の $1$ から $9$ までの連続する $9$ 個の自然数の和は,

$\dfrac{\;1+9\;}{2} \times 9=5 \times 9 = 45$

と求めることができます。