【大学受験】志望理由書の書き方《後半》

吾子先生

さあ、ここから後半の3ステップです!

にこさん

まだ半分かぁ~

吾子先生

STEP6は “清書する” ですから、あと2ステップでほぼ完成です。がんばりましょう!

後半の3ステップ

前半では字数を気にせずに、思い浮かんだままに箇条書きしたり、説明を加えたりしてきましたが、後半は、マス目のあるノートや原稿用紙を使って、必要な時に、正確に字数を数えられるようにしてください。

STEP4:文章を書き、文章構文と内容を決める

1.文章を書く

まず、STEP3で書いた a ~ d の流れを思い出してください。

《 Aさんの志望理由と自己紹介

a「私は貴学に入学し看護師になることを希望する」

・日本では災害対策が必須であり、看護師としてそれに携わりたいと思っている。
・貴学には、専門科目として災害看護があり、大学院でも学べる環境がある。
・災害時には地域の皆さんの力になれる医療従事者を目指したい。

b「そのためには、コミュニケーション能力と、困難に負けず努力する力が必要だ」

c「私はこういう人物なので、それを持っている」

・小中高と9年間、バレーボールを続け、厳しい練習や指導にも挫けることはなかった。積極的にコミュニケーションを図り、仲間を取りまとめるように努めた。
・周囲に溶け込めない生徒が自分とは話してくれ、担任の先生が頼りにしてくれた。
・職場体験の高齢者施設では、利用者の方に対する自分の接し方を褒められた。

d「だから、私は貴学に入学し、希望を叶えることができる」

これがAさんの a ~ d でした。

大学側が知りたい、

「なぜうちの大学に入りたいのか?」
「この生徒はどんな人物なのか?」
「この生徒はうちの大学で、希望を叶えられるのか?」

を全て盛り込んでいて、誰が読んでも「この人なら入学するにふさわしい」と納得する内容です。

しかし、箇条書きに説明を加えた文が単独で存在しているだけで、文章ではありません。

文章とは、文と文がつながり、まとまった内容を表しているものです。
ですから、各項目を文章にする必要があります。

それでは、例を使って文章にしていきましょう。

《 Aさんの志望理由と自己紹介

[ a ]

私は将来、看護師になることを希望している。災害が多い日本では、災害対策が必須であり、私は看護師としてそれに携わりたいと思っている。貴学には、専門科目として災害看護があり、大学院でも学べる環境があるので、入学を強く希望する。

[ b と c ]

(ア) 私は小学4年生から高校3年までバレーボールを続けてきた。この9年間では、厳しい練習や指導を経験したが挫けることはなかった。また、仲間と積極的にコミュニケーションを図り、チーム内の問題も解決するよう心がけた。バレーボールを通して培った強い精神力と、コミュニケーション能力は、私の財産だ。

(イ) 私の長所は誰とでも上手にコミュニケーションが図れることである。中学時代、周囲に溶け込めない生徒が自分とは話してくれ、担任の先生に頼りにされることがあった。また、職場体験の高齢者施設では、日ごろは周囲の呼びかけに答えない方が自分とは笑顔で話してくれ、施設責任者の方に接し方を褒められたことがあった。従って、コミュニケーション能力には自信を持っている。

[ d ]

私は、強い精神力とコミュニケーション能力を生かして、災害時に救護を必要とする方々の力になれる医療従事者を目指したい。以上の理由から、私は貴学の〇〇学部看護学科に入学を希望する。

と、このように、各項目を文章にしてください。

文と文をつなげて、まとまりのある内容ごとに一つの段落をつくりましょう。

[ a ] は箇条書きだと3文がバラバラで、単独に存在していましたが、まとまりのある内容で、一つの段落にしました。

[ b と c ] は、c をつなげて文章にしながら、b を加えました。バレーボールの話題で一つの段落 (ア)、中学時代の話題でもう一つの段落と (イ)、二つに分けました。

[ d ] は、b と c で述べた自分の紹介を生かして a を実現させる、という内容にまとめました。

にこさん

わぁ~。
文章にして段落をつくると、なんだか志望理由書っぽくなりますね!

吾子先生

そうですね。
徐々に完成に近づいてきましたよ。

2.文章構成と内容を決める

文章構成とは、書く順序のことです。

志望理由と自己紹介が、読み手に伝わりやすいようにするには、どういう順序で、どういう内容で書けばいいのかを考えましょう。

ここはとても大切ですから、時間をかけて考えてください。

文章構成について

もともと STEP3で決めた a ~ d の流れは、誰もが読みやすい、基本の文章構成ですので、一旦はこれでよしとしてみましょう。

次の STEP5で、指定の字数に合わせて全体のバランスを整えます。その時に、構成を考え直す必要があれば、考えましょう。

例えば、この例では、STEP1や2では箇条書きにしていた幾つかの項目を、STEP3では選んでいません。「きっかけである伯母の話」や「文武両道で好成績を維持した話」ですね。

もし STEP5で、字数が足りないなどの理由により、やっぱりこれらも入れよう、と思ったら、どこに入れるのかを考える必要があります。

その時は、STEP3 → STEP4の「1.文章を書く」を経て、ここで構成を考えてください。どの文につなげるか、どの段落の前に(後に)入れるか、考えましょう。

今は字数を数えていませんので、基本の構成のままでいいことにします。

内容について

まず、a と d は同じような内容になります。

a で「自分の将来像と、貴学への入学希望」を述べ、d では自分の長所を交えて再度、「自分の将来像と貴学への入学希望」を述べるので、似たような内容になるのは当然です。

しかし、同じ単語を繰り返し使うことは避けましょう。内容は同じでも、できるだけ異なる表現で、強い希望を述べられるよう意識してみてください。

例えば、この例では、STEP3で a にあった、「災害時には地域の皆さんの力になれる医療従事者を目指したい。」を、「災害時に救護を必要とする方々の力になれる医療従事者を目指したい。」と表現を変えて、a ではなく d に加えました。

このように、a と d は、述べたいことは同じなのだけれど、表現は変えてある、ということを意識すると評価の高い文章となります。

にこさん

なるほど。
同じ単語を繰り返さないほうがいいんですね。
むずかしいな~。

吾子先生

そうですね。
でも、同意表現を考えることは、語彙力を増やすことにつながります。小論文の勉強を兼ねて調べてみるのもいいですね。

次に、b と c を見てみましょう。
b と c に、コミュニケーションという単語が4回使われていますね。これは、(ア) と (イ) で似たようなことを述べているからです。

d で、「強い精神力とコミュニケーション能力を生かして」と書きたいので、コミュニケーション能力について述べておきたいのですが、内容の重複は字数を無駄に使いますので、避ける必要があります。

したがって、(ア)(イ) のどちらかを削除することにします。

d へのつながりを考えると、「強い精神力」を入れておきたいので、(ア) を残して、(イ) を削除することにします。

にこさん

そうか~。
b と c は、d につながるようにしたほうがいいんですね。つながりのある内容にするって、考えるのが大変そうです。

吾子先生

慣れていないと難しく感じますよね。
でもがんばってください!
この作業は小論文を書く時にも絶対に必要ですから、ここでしっかり考える練習をしましょう。

完成した文章がこちらです。

《 Aさんの志望理由と自己紹介

私は将来、看護師になることを希望している。災害が多い日本では、災害対策が必須であり、私は看護師としてそれに携わりたいと思っている。貴学には、専門科目として災害看護があり、大学院でも学べる環境があるので、入学を強く希望する。

私は小学4年生から高校3年生までバレーボールを続けてきた。この9年間では、厳しい練習や指導を経験したが挫けることはなかった。また、仲間と積極的にコミュニケーションを図り、チーム内の問題も解決するよう心がけた。バレーボールを通して培った強い精神力とコミュニケーション能力は、私の財産だ。

私は、強い精神力とコミュニケーション能力を生かして、災害時に救護を必要とする方々の力になれる医療従事者を目指したい。以上の理由から、私は貴学の〇〇学部看護学科に入学を希望する。

STEP5:指定の字数内に収まるように推敲する

吾子先生

さあ、このSTEPで完成させますよ。
頑張りましょう!

1.文章の字数を数える

STEP4で書いた文章の字数を段落ごとに数えます。

《 Aさんの志望理由と自己紹介

私は将来、看護師になることを希望している。災害が多い日本では、災害対策が必須であり、私は看護師としてそれに携わりたいと思っている。貴学には、専門科目として災害看護があり、大学院でも学べる環境があるので、入学を強く希望する。( 111字 )

私は小学4年生から高校3年生までバレーボールを続けてきた。この9年間では、厳しい練習や指導を経験したが挫けることはなかった。また、仲間と積極的にコミュニケーションを図り、チーム内の問題も解決するよう心がけた。バレーボールを通して培った強い精神力とコミュニケーション能力は、私の財産だ。( 143字 )

私は、強い精神力とコミュニケーション能力を生かして、災害時に救護を必要とする方々の力になれる医療従事者を目指したい。以上の理由から、私は貴学の〇〇学部看護学科に入学を希望する。( 88字 )

111字+143字+88字=342字 です。

これは、段落初めの1マス目と、改行を考慮せずに単純に文字数を足しました。
皆さんのノートや原稿用紙で改行して書いていき、指定字数に近ければ、このまま STEP6 に進み、清書してください

国立大学は、所定用紙にマス目のない志望理由書が多く見られます。常識的な文字の大きさで書けば、350~400字程度で埋まってしまうと思われますので、このままSTEP6に進みましょう。
なお、常識的な文字の大きさ、とは、所定用紙に記入する、氏名や学部学科名よりも一回り小さく、担当者が読めると思われる大きさです。

私立大学は、マス目のある志望理由書が多く見られます。350字~400字であれば、このまま清書に進んでもいいですが、もう少し増やしたいと思う人は、以下の説明に進んでください。

2.文字数を増やす

にこさん

文字数を増やすって....どうすればいいんだろう?

吾子先生

大丈夫ですよ!
ここからの説明をよく読んで、じっくりと丁寧に文字数を調整していきましょう。とても大切なところですので、時間をかけて、しっかりと考えましょう。

指定字数が400字~500字程度の大学

あとひと段落分ぐらいの文章を書き足す必要がありますが、ここで焦って、雑に書き足してはいけません。そうすると、全体の構成が崩れてしまいます。

志望理由書に限らず、作文や小論文でも同じですが、字数不足を補うために、思いついたことを適当に書き足すのはやめましょう。
安易な書き足しは、受験担当者や添削者に必ず見破られます

特に、それが受験であれば、文章構成の観点で評価を落とすだけでなく、論理的思考力の観点でも評価を落とします

〔はじめに〕で述べたように、優れた志望理由書にするためには、しっかりとした構成で、論理的で、入学希望が強く伝わるものを書く必要があるのです。
もちろん、これは優れた小論文にも言えることです。ですから、ここで、根気よく考え、小論文でも必要な力を磨いていきましょう。

では、どうするか。

STEP3に戻ってください

STEP4の2で、
「もしSTEP5で、字数が足りないなどの理由により、やっぱりこれらも入れよう、と思ったら、どこに入れるのかを考える必要があります。その時は、STEP3 → STEP4を経て、ここで構成を考えてください。」と説明しました。
まさに今が、STEP3に戻る時です。

STEP3では、STEP2の中から、志望理由書に書く内容を選び出しました。

選ぶポイントは2つ、

ポイント1志望理由と自己紹介に関連を持たせる

ポイント2面接で詳細を問われることを意識する

でしたね。

STEP2の中に、志望理由と自己紹介に関連する内容は、残っていませんか?残っていたら、それを追加しましょう。

吾子先生

それでは A さんの例で説明をします。

Aさんは、STEP2の志望理由に、「きっかけは、伯母が看護師であったこと。憧れであったこと。」が残っています。
ですから、これをSTEP3に追加で選び、a「私は貴学に入学し看護師になる事を希望する」に入れることにします。

【 修正・STEP3の a 】

a「私は貴学に入学し看護師になることを希望する」

伯母が総合病院の看護師で、幼いころから仕事について聞いていた。
日常生活でも頼れる存在で、同じ職業に就きたいと思うようになった。
・日本では災害対策が必須であり、看護師としてそれに携わりたいと思っている。
・貴学には、専門科目として災害看護があり、大学院でも学べる環境がある。
・災害時には地域の皆さんの力になれる医療従事者を目指したい。

以上のように、a の箇条書きを修正しました。

では、STEP4に進みます。

STEP4では、箇条書きの文が単独で存在しているので、文と文をつなげてまとまった内容にする、つまり、文章にするのでしたね。

さっそくやってみましょう。同時に字数を数えます。

【 修正・STEP4の1の [a] 】

[ a ]

私は将来、看護師になることを希望している。それは総合病院の看護師である伯母の存在が大きい。医療従事者として懸命に働き、日常生活でも頼れる姿は私の憧れであったため、同じ職業に就くことを志している。( 107字 )

災害が多い日本では、災害対策が必須であり、私は看護師としてそれに携わりたいと思う。貴学には、専門科目として災害看護があり、大学院でも学べる環境があるので、入学を強く希望する。( 87字 )

にこさん

あっ!さっきよりも文字数が増えました!

吾子先生

そうですね。

これでSTEP4の1まで修正完了です。

次に、STEP4の2で、文章構成と内容を決めます。

繰り返しになりますが、STEP3で決めた a ~ d の流れは、誰もが読みやすい、基本の文章構成です。

今回の修正では、[a]の内容を増やす、と決めて書き足しましたので、全体の構成を練り直す必要はありません。
[a]を書き足して、段落を二つにしましたが、他の段落は修正しませんので、このままでよしとします。

続いて内容です。

内容は同じでも、できるだけ異なる表現で、強い希望を述べることが大切でしたよね。

修正完了の各文を、語尾に注目して見てください。

~希望している。
~を志している。
~に携わりたいと思う。
~を強く希望する。

[a]は志望理由を述べる段落なので、「~したい、~を希望する」という意味の言葉が語尾になるのは当然ですが、「希望」という単語は始めと終わりの文でだけ使用しています。
残りの語尾は、「希望」を使用しないように工夫しました。

にこさん

ほんとだ!
意味は似ているけれど、異なる表現を使っていますね。
私も工夫します!

その他の内容は変更しないため、残りはこのままでよしとします。

これで修正は完了で、改行などを考慮せずに数えた字数は、424字です。ひと段落分、80字ほど増やしました。

このようにして、自分の大学の指定字数に合わせていきます。
STEP4の1で、文と文をつなげて文章にしますので、ここで文字数を調整してください。

STEP3で志望理由書に書く内容を選び出し、STEP4で文章にする

もっと字数が必要な人は、これを繰り返していきます。

吾子先生

どうですか?うまくいきましたか?このようにして字数を増やします。

私立大学の中には、マス目のある600字指定が多く見られますので、そういう受験生のために、さらに増やしてみますね。

指定字数が600字の大学

ここで、今でき上がっている424字のAさんの例を確認してみましょう。

《 Aさんの志望理由と自己紹介・424字

私は将来、看護師になることを希望している。それは総合病院の看護師である伯母の存在が大きい。医療従事者として懸命に働き、日常生活でも頼れる姿は私の憧れであったため、同じ職業に就くことを志している。( 107字 )

災害が多い日本では、災害対策が必須であり、私は看護師としてそれに携わりたいと思う。貴学には、専門科目として災害看護があり、大学院でも学べる環境があるので、入学を強く希望する。( 87字 )

私は小学4年生から高校3年生までバレーボールを続けてきた。この9年間では、厳しい練習や指導を経験したが挫けることはなかった。また、仲間と積極的にコミュニケーションを図り、チーム内の問題も解決するよう心がけた。バレーボールを通して培った強い精神力とコミュニケーション能力は、私の財産だ。( 143字 )

私は、強い精神力とコミュニケーション能力を生かして、災害時に救護を必要とする方々の力になれる医療従事者を目指したい。以上の理由から、私は貴学の〇〇学部看護学科に入学を希望する。( 88字 )

ここから、600字に増やすには、100字以上の内容が必要ですが、どの部分を増やすとよいでしょうか。

志望理由と自己紹介に分けて、全体のバランスを見てみましょう。

志望理由 看護師を目指すきっかけ ( 107字 ) + 貴学を希望する理由 ( 87字 )

自己紹介 強い精神力とコミュニケーション能力 ( 143字 )

志望理由 将来の抱負と入学希望 ( 88字 )

志望理由は前半の二つの段落で200字近いですので、これ以上増やすと、自己紹介との字数がさらに開き、バランスが悪くなります。

ですから、次は、自己紹介を増やしてみます。

にこさん

志望理由の段落と、自己紹介の段落を分けてみて、バランスを考えるんですね。

手順は先ほどと同じです。
STEP3ですね。STEP2の中から、内容を選び出します。

Aさんは STEP2の自己紹介に、「特に中学、高校では文武両道を貫き、好成績を維持した」が残っています。
ですから、これをSTEP3に追加で選び、c「私はこういう人物なので、それを持っている」に入れることにします。

【 修正・STEP3の c 】

c「私はこういう人物なので、それを持っている」

・小中高と9年間、バレーボールを続け、厳しい練習や指導にも挫けることはなかった。積極的にコミュニケーションを図り、仲間を取りまとめるように努めた。
・周囲に溶け込めない生徒が自分とは話してくれ、担任の先生が頼りにしてくれた。
・職場体験の高齢者施設では、利用者の方に対する自分の接し方を褒められた。
中学と高校は、土日を通して部活動で時間を費やすことが多かったが、学校の勉強は怠らず、校内では上位の成績を収めるように努力をし、実現させた。

以上のように、c の箇条書きを修正しました。

次はSTEP4の1です。文と文をつなげて、文章にします。

【 修正・STEP4の1の [c] 】

[ c の前半段落 ]

私は小学4年生から9年間バレーボールを続けてきた。この間は、厳しい練習や指導を経験したが挫けなかった。また、中学と高校は土日の練習や対外試合での遠征も多かったが、学校の勉強は決して怠らず、自分を律して時間を効率的に使い、校内では上位の成績を維持することができた。文武両道を貫く努力によって培った強い精神力は、私の財産だ。( 160字 )

修正前と最も異なる点は、この段落から、コミュニケーション能力に関する内容を外したことです。
この段落は、Aさんの自己紹介「強い精神力」と「コミュニケーション能力」のうち、前者だけを述べることにして、新たに学校の勉強をしっかりとしてきたことを加えました。

バレーボールを続けながらも上位の成績をしてきた、つまり、私は「強い精神力」を持っている、とアピールしています。

【 修正・STEP4の1の [c] 】

[ c の後半段落 ]

また、私は誰とでもうまくコミュニケーションを図れる自信がある。学校生活では、周囲に溶け込めない生徒との接し方が良いと先生から頼りにされたり、職場体験の高齢者施設では、日ごろは口数の少ない高齢者の方が自分とは笑顔で話してくれ、施設責任者の方に褒めてもらったりした。このような経験が私の自信となっている。( 135字 )

修正前にはなかった段落です。「コミュニケーション能力」が高いことをアピールするために、342字の志望理由書には入れることのできなかった、経験を加えました。

前半段落、後半段落共に、最終段落である
[d]「私は、強い精神力とコミュニケーション能力を生かして、災害時に救護を必要とする方々の力になれる医療従事者を目指したい。…」
につながることを意識しています。

にこさん

STEP4の2で、〔 c 〕は〔 d 〕につながるようにするって教わりました!確かにつながっていますね。

これで、STEP4の1まで修正完了です。

次に、STEP4の2ですね。
今回も[c]を増やすと決めて書き直しましたので、全体の構成を直す必要はありません。

続いて内容です。
特に、動詞は同じ単語を繰り返さないように気をつけています。

前半段落 : 続けてきた、挫けなかった、怠らず、維持する、貫く

後半段落 : 図れる、接し、頼りにされ、褒めてもらった

できるだけ、異なる表現を使うよう心がけました。

にこさん

「意味は似ているけれど異なる表現」ですよね!
だんだん慣れて、分かってきました。

吾子先生

皆さんも、意識してみてくださいね。

これで修正は完了で、改行などを考慮せずに数えた字数は、577字です。150字ほど増やしました。

以上が文字数の増やし方です。

大きく分けると、増やし方は2つありましたね。

まずは、STEP3です。STEP2にまだ項目が残っている人は、新たに選び出すことができます。

Aさんの場合、80字増やすために志望理由から、「伯母が看護師であったこと」を新たに選び出しました。

また,さらに150字増やすために、自己紹介から、「文武両道を貫いて、好成績を維持した」を新たに選び出しました。

このように、STEP2の段階で、たくさんの項目がある人は、新たに選び出して加えることができます。

しかし、選び出すポイントは、
「志望理由と自己紹介に関連を持たせる」「面接で詳細を問われることを意識する」
でしたから、それを考慮すると、これ以上は選び出せない、という人もいるかもしれません。

そういう場合は、STEP4の1です。

文と文をつなげて、まとまりのある内容にする段階で、文字数を増やすことができます。

Aさんの場合、150字に増やすために、「周囲に溶け込めない生徒との接し方」や「職場体験の高齢者施設で褒められた経験」を新たに加えました。

この2つの経験は、STEP4の2で削除したのですが、「コミュニケーション能力」をアピールするために選び直しました。

このように、削除したものをもう一度、利用するという方法があります。

削除したものもない、という人は、STEP4の1で書いた文章を一つ一つよく読み、志望理由をより詳しく述べたり、自己紹介をさらに具体的に説明したりして、文字数を増やしましょう。

にこさん

文字数の増やし方が分かりました。これで完成ですね!

吾子先生

文字数を上手に増やせるようになると、小論文でも役に立ちますよ。
さあ、次はいよいよ清書です。

STEP6:時間を計りながら清書の練習をする

STEP5まで、皆さんはノートや原稿用紙に、志望理由書の下書きを作ってきましたよね。そして、指定字数内に収まったものが、出来上がりました。

きっとこれを、一旦、学校などの担当の先生に提出して添削をしてもらうと思いますので、その所定用紙に書き写しましょう。

その際に、忘れずに、時間を計ってください

日ごろ自分が、どれだけの分数で何文字書くのか、計りましょう。

そうすると、入試の小論文で役に立ちます。

例えば、「60分で600字」を書かなければならない入試の場合、600字を書き写すのに20分かかる人は、最低でも残り20分で、解答用紙に清書を書き始めなければなりませんよね。

問題文を読んで、解答する内容を考え、構成を練って、字数を調整して…と下書きをする時間は、40分以内、ということです。

ですから、忘れずに時間を計って、かかる時間の目安を知りましょう

先生のOKがもらえたら、正式な書類として清書をすると思いますが、そちらは、丁寧に、慎重に、ゆっくりと時間を書くので、あまり当てになりません。

試験中の字は、そこそこ丁寧だと思いますが、ゆっくりとは書かないですよね。

にこさん

時間を計って、自分の書くスピードを把握しておくんですね。必ず実行します!

吾子先生

以上でこの講座は終了です。皆さん、お疲れさまでした。

おわりに

いかがでしたか。

この6ステップで進めていけば、どんな人でも、皆さんそれぞれの良さを生かした、優れた志望理由書が書けます。

講座の冒頭で述べたように、志望理由書を作成することは、小論文で必要な力を磨いていることでもあります。

つまり、優れた志望理由書が書けた皆さんは、優れた小論文を書く練習をしていたことにもなるのです。

志望理由書、小論文のどちらにも必要なのは、構成力と論理的思考力です。

ここで志望理由書を書き上げた皆さんが、その過程で習得した知識は、必ず入試に役立ちます。

皆さんの健闘をお祈りします。入試当日も頑張ってくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

にこさん

吾子先生、ありがとうございました。