岐阜県・公立高校入試 2019年度( 平成31年度 )解答・解説編

岐阜県立高校・入学試験学力検査・数学・2019年度

次の(1)~(6)の問いに答えなさい。

(1)1042を計算しなさい。

解答・解説

解答6


104242=(4×4)=16
=1016
=6

(2)4(2a+b)2(a3b)を計算しなさい。

解答・解説

解答16a


4(2a+b)2(a3b)
=4×2a+4×b2×a2×(3b)
=8a+4b2a+6b
=8a2a+4b+6b
=6a+10b

(3)x=2+3のときの,式x26x+9の値を求めなさい。

解答・解説

解答2

値を求める式は,
x26x+9=(x3)2
と変形できるので,この式に x=2+3 を代入します。

x26x+9=(x3)2
=(2+33)2
=(2)2
=2

(4)ある養殖池にいるアユの数を推定するために,その養殖池で 47 匹のアユを捕獲し,その全部に目印をつけて戻した。数日後に同じ養殖池で 27 匹のアユを捕獲したところ,目印のついたアユが 3 匹いた。この養殖池にいるアユの数を推定し,十の位までの概数で求めなさい。

解答・解説

解答およそ 420

養殖池にいるアユの総数を x 匹とする。

「養殖池にいるアユの総数 (x)」に対する「目印をつけたアユの数 (47)」の割合
と,
「捕獲したアユの数 (27)」に対する「その中の目印のついたアユの数 (3) 」の割合
は等しいと推定されるから,

x:47=27:3

という比例式が成り立ちます。

x:47=279:31
x=47×9
x=423

一の位を四捨五入して,およそ 420 匹だと推定できます。

(5)関数 y=4x+5 について述べた文として正しいものを,次のア~エの中からすべて選び,符号で答えなさい。

グラフは点 (4,5) を通る。

グラフは右上がりの直線である。

x の値が 2 から 1 まで増加するときの y の増加量は 4 である。

グラフは,y=4x のグラフを,y 軸の正の向きに 5 だけ平行移動させたものである。

解答・解説

解答イ,エ

関数 y=4x+5 は 1 次関数( yx の 1 次関数である)だから,
変化の割合は一定で,グラフは直線になります。


について

グラフが点 (4,5) を通るとは,x=4 のとき y=5 になることです。

y=4x+5x=4 を代入すると,
y=4×4+5=21
となり,正しくないことが分かります。


について

グラフが右上がりの直線であるとは,傾き(=変化の割合)が常に正の値であることです。

y=4x+5 の傾きは 4 で常に正の値だから,グラフは常に右上がりとなります。
よって正しいといえます。


について

変化の割合は一定で,その値は 4 です。
よって,x の値が 1 ずつ増加すると,y の値は 4 ずつ増加します。
これは,y の増加量は常に x の増加量の 4 倍であることを意味します。

x の値が 2 から 1 まで増加するとき,その増加量は

1(2)=3

です。このとき y の増加量はその 4 倍だから,

3×4=12

となり,正しくないことが分かります。

また,変化の割合 =yx より,

4=y1(2)

y の増加量 =4×3=12

となり,これからも正しくないことが分かります。


について

y=4x+5 ・・・① のグラフと y=4x ・・・② のグラフは,
傾きが同じなので平行です。

実際のグラフは下図のようになり,各グラフ上の x 座標が同じ点をみると,
①の点の y 座標は,②の点の y 座標より 5 大きくなっています。

よって,y=4x+5 のグラフは,
y=4x のグラフを,y 軸の正の向きに 5 だけ平行移動させたものであり,
正しいといえます。

(6)直線 上の点 A を通り,直線 に垂直な直線を,定規とコンパスを使って作図しなさい。なお,作図に用いた線は消さずに残しなさい。

解答・解説

解答


作図の手順

① 下図のように,コンパスで点 A を中心とした円をかき,点 P,Q を決めます。

② 下図のように点 P を中心とした円(弧)と点 Q を中心とした円(弧)をかき,点 R を決めます。

③ 点 A と 点 R を通る直線をかきます。この直線が求める直線です。


右の図のように,関数 y=ax2 のグラフと直線 が,2 点 A,B で交わっている。A の座標は (1,2) で,B の x 座標は 2 である。

次の (1) ~ (3) の問いに答えなさい。

図

(1)a の値を求めなさい。

解答・解説

解答2

関数 y=ax2 のグラフ上に点 A (1,2) があるから,
x=1y=2y=ax2 を成り立たせます。

y=ax2x=1y=2 を代入して,

2=a×(1)2
a=2

(2)直線 の式を求めなさい。

解答・解説

解答y=2x+4

(1) から,グラフが放物線である関数の式は y=2x2 です。

点 B は y=2x2 上にあり,x 座標が 2 だから,y 座標は,

y=2×22=8

よって,点 B の座標は (2,8)

直線 x 軸に対し垂直でない直線だから,1 次関数のグラフです。
直線 の式を y=ax+b と表します。

2 点 A,B は 直線 上にあり,変化の様子は下の表のようになります。

表の 1x2 の範囲について,

a=822(1)=2

よって,求める式は y=2x+b となり,

さらに,y=2x+bx=1y=2 を代入して,

2=2×(1)+b
2=2+b
b=4

したがって,求める式は y=2x+4 です。

グラフの様子は下の図ようになります。

(3)△AOB の面積を求めなさい。

解答・解説

解答6

(2) から, 直線 の式は y=2x+4 で,切片は 4 だから,
直線 y 軸との交点を点 C とすると,その座標は (0,4) です。

下の図のように △AOB を △AOC と △BOC に分けて考えます。

△AOC は底辺を辺 OC とすると,高さは 1 になるから,その面積は,

4×1×12=2

△BOC は底辺を辺 OC とすると,高さは 2 になるから,その面積は,

4×2×12=4

よって,

△AOB = △AOC + △BOC
=2+4
=6


別 解

下の図のように点D (1,0) と点E (2,0) をとり,
△AOB を等積変形した △CDE の面積を求めても良い。


右の図のように,袋の中に,赤玉 2 個と白玉 2 個が入っている。それぞれの色の玉には,1,2 の数字が 1 つずつ書かれている。玉をかき混ぜてから 1 個取り出し,それを袋に戻してかき混ぜ,また 1 個取り出すとき,次の (1) ~ (2) の問いに答えなさい。

図

(1)2 回とも白玉が出る確率を求めなさい。

解答・解説

解答14

取り出し方のすべての場合を樹形図(下の図)で表します。
全ての場合の数は,4×4=16 (通り)です。

2 回とも白玉が出る場合は,上の図の4 通りです。
その確率は,

416=14

(2)2 回とも同じ色の玉が出る確率を求めなさい。

解答・解説

解答12

取り出し方のすべての場合を樹形図(下の図)で表します。
全ての場合の数は,4×4=16 (通り)です。

2 回とも同じ色の玉が出る場合は,上の図の8 通りです。
その確率は,

816=12

(3)1 回目と 2 回目で,色も数字も異なる玉が出る確率を求めなさい。

解答・解説

解答14

取り出し方のすべての場合を樹形図(下の図)で表します。
全ての場合の数は,4×4=16 (通り)です。

1 回目と 2 回目で,色も数字も異なる玉が出る場合は,上の図の4 通りです。
その確率は,

416=14


ある工場では,機械 A と機械 B をそれぞれ 1 台ずつ使って,製品 P と製品 Q を作っている。それぞれの機械は,どちらの製品も作ることができるが,両方の製品を同時につくることはできない。
A だけを使って Q だけを作ると,P だけをつくるときに比べて,1 時間につくることができる製品の個数は 2 割多い。また,B を使って Q だけを作ると,P だけを作るときに比べて 1 時間につくることができる製品の個数は 1 割少ない。
A と B の両方を使って,P だけを作ると 1 時間に 55 個でき,Q だけを作ると 1 時間に 57 個できる。

次の (1),(2) の問いに答えなさい。

(1)A と B のうち,どちらか 1 台を使って 1 時間に作ることができる製品の個数を,太郎さんは次のように求めた。 には x を使った式を, には y を使った式を, にはそれぞれあてはまるように書きなさい。

A を使って 1 時間に作ることができる製品の個数について,P だけを作るときを x 個とすると,Q だけを作るときは 2 割多いので 個と表すことができる。
た,B を使って 1 時間に作ることができる製品の個数について,P だけを作るときを y 個とすると,Q だけを作るときは 1 割少ないので 個と表すことができる。
1 時間に作ることができる製品の個数から連立方程式をつくると,

{x+y=55+=57

となる。これを解くと,x= y= となる。
って,A と B のうち,どちらか1台を使って1時間に作ることができる製品の個数は,下の表のようになる。

A B
P だけを作るとき(個)
Q だけを作るとき(個)

解答・解説

解答1.2x  0.9x  25  30  30  27

A で 1 時間に作ることができる P の個数を x 個とすると,
A で 1 時間に作ることができる Q の個数は,
x 個より 2 割多いから,

x×(1+0.2)=1.2x (個)1.2x

です。

B で 1 時間に作ることができる P の個数を y 個とすると,
B で 1 時間に作ることができる Q の個数は,
y 個より 1 割少ないから,

y×(10.1)=0.9y (個)0.9y

です。

A と B 両方使って,P だけを作ると 1 時間に 55 個できるから,

x+y=55

A と B 両方使って,Q だけを作ると 1 時間に 57 個できるから,

1.2x+0.9y=57

これらから,次の連立方程式ができます。

{x+y=551.2x+0.9y=57

② を変形して,4x+3y=190

×4 4x+4y=220
)4x+3y=190
y=3030

y=30 に代入して,

x+30=55
x=2525

また,

1.2x=1.2×25=3030

0.9y=0.9×30=2727


方程式 ② の変形

1.2x+0.9y=57両辺に 10 をかける
12x+9y=570両辺を 3 で割る
4x+3y=190

(2)別の工場では,A と B をそれぞれ複数台使って,Q だけを 1 時間に 600 個作っている。このとき,A の台数を全て求めなさい。

解答・解説

解答2 台,11

(1) から,Q だけを作る場合,
A 1 台で 1 時間に作ることができるのは 30
B 1 台で 1 時間に作ることができるのは 27
です。

A を a 台,B を b 台使って,Q だけを 600 個作っているとすると,

30a+27b=600
30a=60027b
a=20910b

B だけを使って Q を 1 時間に 600 個作ることはできないので,
a1 以上の整数です。

20910b1 以上の整数だから,b10 の倍数です。

b10 のとき,a=20910×10=11

b20 のとき,a=20910×20=2

b30 以上のとき,a は 負の数になってしまうので不適切です。

よって,A の台数は 2 台または 11 台です。


下の図のように,四角形 ABCD の 4 つの頂点 A,B,C,D が円 O の周上にある。線分 AC と BD の交点を E とする。また,E を通り辺 BC と平行な直線と辺 AB との交点を F とする。

次の (1),(2) の問いに答えなさい。

(1)△ACD ∽ △EBF であることを証明しなさい。

解答

〈仮定〉点A,B,C,Dが円O の円周上にある
BC // FE
〈結論〉△ACD ∽ △EBF

〈証明〉

△ACD と △EBF で,

AD に対する円周角だから,
∠ACD = ∠EBF・・・・・・①

CD に対する円周角だから,
∠CAD = ∠EBC・・・・・・②

BC // FE より,平行線の錯角だから,
∠BEF = ∠EBC・・・・・・③

②,③ から,∠CAD = ∠BEF・・・・・・④

①,④ から,2 組の角がそれぞれ等しいので,
△ACD ∽ △EBF

(2)AC が円 O の直径で,OA =6 cm,BC =3 cm,CE =2 cm のとき,

(ア)AB の長さを求めなさい。

解答・解説

解答315 cm

仮定から,図は右のようになります。

半円の弧に対する円周角だから,
∠ABC =90°
よって,△ABC は直角三角形です。

また,OA =6 cm で AC は円 O の直径だから,
AC =12 cm

△ABC について三平方の定理から,

AB =AC2BC2
=12232
=135
=315

(イ)BF の長さを求めなさい。

解答・解説

解答152 cm

仮定から,図は右のようになります。
BF =x cm とします。

仮定から BC // FE だから,△ABC について,

AEEC=AFFB
(122)2=(315x)x
51=(315x)x
5x=315x
6x=315
x=152 (cm)

更に,FE =y cm とすると,

ACAE=BCFE
12(122)=3y
65=3y
6y=15
y=52 (cm)

(ウ)△ACD の面積を求めなさい。

解答・解説

解答915 cm2

(イ) から,BF =152 cm,FE =52 cm

仮定から BC // FE ,(ア) から∠ABC =90°
平行線の同位角だから,∠ABC = ∠AFE =90°
すなわち ∠EFB =90° なので △EBF は直角三角形です。

まず,△EBF の面積を求めます。

△EBF =12×BF×FE

=12×152×52

=5158 (cm2)

さらに,△EBF について三平方の定理から,

EB =BF2+FE2

=(152)2+(52)2

=10 (cm)

△ACD ∽ △EBF で,その相似比は,
AC:EB = 1210

よって,△ACD と △EBF の面積比は,
122(10)2=14410
=725

①,②から,

△ACD:△EBF =725

△ACD:5158=725

△ACD ×51=511581×729

△ACD =915


図 1 のように,1 辺の長さが 1 cm の正方形のカードをすき間なく並べて順番に図形を作る。段の数は,順に 1 段ずつ増やし,一番下の段のカードの枚数は,順に 2 枚ずつ増やす。

次の (1) ~ (4) の問いに答えなさい。

(1)5 番目の図形について,

(ア)一番下の段のカードの枚数を求めなさい。

解答・解説

解答9

一番下の段のカードの枚数を下の表に表します。

番 数1 番目2 番目3 番目4 番目
一番下の段のカードの枚数 (枚)1357

一番下のカードの枚数は,
1 枚から始まり,2 枚ずつ増えています。

4 番目の一番下のカードが 7 枚なので,5 番目の一番下は,

7+2=9 (枚)


実際に 5 番目の図形をかいてみると下の図になります。

(イ)周の長さを求めなさい。

解答・解説

解答28 cm

周の長さを下の表に表します。

番 数1 番目2 番目3 番目4 番目
周の長さ (cm)4101622

周の長さは,
4 cm から始まり,6 cm ずつ増えています。

4 番目の図形の周長さが 22 cmなので,5 番目の図形の周の長さは,

22+6=28 (cm)


実際に 5 番目の図形をかいてみると下の図になります。

(2)n 番目の図形について,

(ア)一番下の段のカードの枚数を,n を使った式で表しなさい。

解答・解説

解答2n1 (枚)

一番下の段のカードの枚数を下の表に表します。

番 数1 番目2 番目3 番目4 番目・ ・ ・n 番目
一番下の段のカードの枚数 (枚)1357・ ・ ・

一番下の段のカードの枚数は,
1 番目の 1 枚に,番数が 1 増えるごとに 2 ずつ足されていくと考えられます。

1 番下のカードの枚数

1 番目 ・・・ 1 (枚)
2 番目 ・・・ 1+2×1 (回)=3 (枚)
3 番目 ・・・ 1+2×2 (回)=5 (枚)
4 番目 ・・・ 1+2×3 (回)=7 (枚)



n 番目 ・・・ 1+2×(n1) (回)

上のように考えると,
n 番目は 1 番目の枚数に 2 枚を (n1) 回足した数になります。
よって,n 番目の図形の一番下のカードの枚数は,

1+2×(n1)=1+2n2
=2n1 (枚)

(イ)周の長さを,n を使った式で表しなさい。

解答・解説

解答6n2 (枚)

周の長さを下の表に表します。

番 数1 番目2 番目3 番目4 番目・ ・ ・n 番目
周の長さ (cm)4101622・ ・ ・

周の長さは,
1 番目の 4 cm に,番数が 1 増えるごとに 6 cm ずつ足されていくと考えられます。

周の長さ

1 番目 ・・・ 4 (cm)
2 番目 ・・・ 4+6×1 (回)=10 (cm)
3 番目 ・・・ 4+6×2 (回)=16 (cm)
4 番目 ・・・ 4+6×3 (回)=22 (cm)



n 番目 ・・・ 4+6×(n1) (回)

上のように考えると,
n 番目は 1 番目の長さにに 6 cm を (n1) 回足した数になります。
よって,n 番目の図形の 1 番下のカードの枚数は,

4+6×(n1)=4+6n6
=6n2 (cm)

(3)次の文章は,カードの総数について,花子さんの考えをまとめたものである。n を使った式をあてはまるように書きなさい。

3 番目の図形のカードの総数は,数えると 9 枚である。図 2 のように,3 番目の図形と,それをひっくり返した図形を組み合わせた図形を作り,計算で求めることもできる。図 2 の図形では,カードが 6 枚ずつ 3 段あるから,総数は 18 枚である。よって,3 番目のカードの総数は 9 枚である。

同じように考えると,n 番目の図形のカードの総数は,枚となる。

解答・解説

解答n2

花子さんの考え方では,
すべての段のカードの枚数が同じ枚数であり,
その枚数は,元の図形の一番上の枚数と一番下の枚数の和になっています。
また,段の数は番数と同じです。

n 番目の図形についても,同じように考えると,

1 段目の枚数は 1 枚,n 段目の枚数は 2n1 (枚)だから,

各段の枚数は =1+(2n1) (枚)で,段数は n 段です。

よって,n 番目の図形のカードの総数は,

{1+(2n1)}×n×12=n2

(4)カードとカードの境目の長さの和は,3 番目の図形では 10 cm である。n 番目の図形では何 cm であるかを求めなさい。

解答・解説

解答2n23n+1

まず,3 番目の図形について下の図のように考えます。

1 枚のカードの周の長さは 4 cmで,そのカードが 9 枚あるから,
周と境界の長さの和を,4×9=36 (cm) と考えます。
そして, 周と境界の長さの和から周だけの長さの和( 16 cm )を引けば,
境界だけの長さの和( 20 cm )が求められます。
ただしこの場合,
境界は上下左右の隣合ったカードの辺が 2 つずつ重なっている
ことになります。
よって,境界の長さの和は,20×12=10 (cm) となります。

この考え方で n 番目の図形についても考えると,
n 番目の図形のカードの数は n2 枚,周の長さは (6n2) cm だから,

n 番目の図形の境界の長さの和 ={4×n2(6n2)}×12

=(4n26n+2)×12

=2n23n+1 (cm)